TURN THE SHIP AROUND
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なぜこの本を読んだか
ふと何かの記事で目にしてそういえば和訳あるのかなと調べたところ「米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方」という題名で和訳されていることを発見して和訳を読んだ。
和訳の内容も良いだけに、タイトルをこれだけ変えてしまう翻訳だけ非常に残念に思ってしまった。。。
何が書かれている本か
アメリカの海軍の話で潜水艦の艦長がいかにして従来のトップダウンリーダーシップに逆らい変えていって成果を残したかという本。
また随所に企業などでも活用できるような補足などが散りばめられていて単に「海軍の話か」という本ではなくあくまでも「海軍での事例をベースにした企業などの集団におけるリーダーシップ」の本という感じ。
この本では終始「委ねるリーダーシップ」というのがキーワードとして出てくる。
メモ
「ミスを避ける」だけの組織は失敗する
彼らにとっての成功は、「失敗がない状態」や「批判や事件が起きない状態」という後ろ向きなものになる。悲しいことに、艦の中では「罰がないことが報酬だ」というジョークをみんなが口にしていた。
これは改善に目が向かなくなってしまうというあるあるな状態だと思っているし、オーバーエンジニアリングにも繋がってしまうので適切な挑戦機会を奪ってしまってるよなあ。。。
「これから〜します」という言い方の強力な効果
改善の1つに各メンバーに「XXX してもいいでしょうか?」という許可を求める発言ではなく、「これから〜します (補足などもあればその論理性などを補足する)」という言い方に変えることでメンバーの主体性が増えるし、発言のための準備が増えるという話があった。
あるとき、操艦責任者から「これから潜水します」と言われた私は、疑問に思ったことを尋ねる代わりに、そう言われたときに私は何を考えていると思うかと彼に尋ねた。
「艦長は、潜水が安全で適切だと思う理由を述べてはどうか。そうすれば、『よろしい』の一言ですべてが終わる」
その後、「これから〜します」という言い方をするときには、私が一言で了承するだけですむよう詳細に報告することが彼らの目標となった。
メンバーにも決断のチャンスを与える
たとえ数分、数秒でもいいから、誰もが自由に発言できる場を設ける必要があるのだ。
これは2つの機会提供がありそう
意思決定
説明責任
- ただちに決断を下す必要があれば、リーダーが決断を下す。ただし、その決断の是非を問うチームを作り、彼らに評価させる。
- あまり時間のない中で決断を下す必要があるときは、短い時間でいいのでチーム全員の意見を募ってから決断を下す。
- 決断を下すまでに時間の余裕があるときは、チーム全員から意見を出させる。ただし、合意を強要してはいけない。そんなことをすれば、少数意見が封じ込められ、異論を唱えにくくなる。全員が自分と同じ考えなら、チームや部下がいる意味がなくなる。
直線に確認する
このエピソードはたびたび出てくるのだけれど、潜水艦で重大なミスがあった際の振り返りとして「何かを実行する前に自分が何をしようと思っているかを口に出して言う」という対策を取った。
その結果として
一つは、作業する者が立ち止まり、これからすることを声に出して言いながらその動作のジェスチャーをしているときに、隣にいる誰かがそれを見て、間違いがあれば実際に行動を起こす前に修正できるようになったということ。
...
もう一つは、直前に確認するという対策の導入に伴い、訓練を行う場所に監視役を立たせ、不適切な校どうを干渉して防止できるようになったことだ。
行動指針に必要なのはたった一つ。乗員を正しい決断に導いてくれるということだ。
これも最高だった。
大体のケースで形骸化しているのは、「掲げているだけ」の行動指針の時だよなーとか
感想
噂はよく聞いてたが、めちゃくちゃいい本だった
ただ本の随所にも出てたが前提として
全ての人員が高い専門性を持っている
変えたいという意欲が (表層でもそうじゃなくても) ある
ということが前提にはあるのでまずは個人個人が「我々はプロのサラリーマンである」ということをいかに採用ないしは、文化として築くのかも大切な話なのかもしれない